アウトカムとは何か?意味と重要さをわかりやすく解説します
とある社畜のDX担当、いねおけです。
今回のテーマは
「アウトカム」という言葉をご存知でしょうか。
多くの方にとって”アウトプット”であれば馴染みがあるけど「アウトカム」はあまり聞いたことがない、という感じではないでしょうか。私もそうでした。
例えば、誰かの注文を受けて、何かのモノを作るとき。注文はインプットに、作り出すモノはアウトプットに該当します。では「アウトカム」とは何なのでしょうか。
アウトカムを知れば、モノを作るだけでは終わらず、そのモノが「誰を満足させるか」や「社会が豊かになるのか」を意識することができます。
アウトカムとは
アウトカムとは、成果や効果を表す言葉です。
ビジネスにおいては「施策によって得られた効果」を意味します。
アウトカムの具体例
もう少し具体的に「アウトカム」を考えてみましょう。インプット・アウトプットを交えながら言葉の意味の違いも説明します。
例えば市場から「美味しくて、健康にも良いものが食べたい」という要望があったとしましょう。この要望を受けて、あなたの顧客や上司が「健康に良いお菓子を開発せよ」と言ってきたとします。これらの市場要求や、上司の指示は「インプット」にあたります。
インプットを受けたあなたは、開発チームを立ち上げて新商品である「乳酸菌クッキー」を開発して市場へ投入しました。この場合、乳酸菌クッキーが「アウトプット」となります。
店頭に並んだ乳酸菌クッキーは好評で、徐々に売上を伸ばしていきました。特に乳酸菌の効果による整腸作用に注目が集まりました。従来、オナカに良いものといえば便通の改善等が狙いでしたが、本製品ではそれにとどまらず、腸内環境を整えることで「睡眠の質が良くなる」ことをPRし、それが市場に受け入れられました。
このケースで「アウトカム」を想像すると…
・顧客が食と睡眠の関係性を認知する
・顧客が睡眠の質向上を期待してオヤツを購入する様になる
・(我が社が)顧客に健康に良いオヤツのメーカーとして認知される
などが挙げられます。つまり、アウトプットから得られる顧客や市場の変化であったり、その効果が「アウトカム」なのです。
アウトカムが重要な理由
アウトカムを考えずにプロジェクトを始めると、目先のことにとらわれ、本質を見逃すことになりかねません。例えば、地域密着型の小さなスーパーマーケットが「ネットスーパー」を始めると言ったらどうでしょう。「これからの時代はネットじゃないとダメだ」という考えは、デジタル活用に前向きで、一見するとDXの様に感じるかもしれません。
しかしながら、ネット上には既に大手スーパーマーケットが進出しており、何でも買えて翌日には家に届く様な環境を整えています。ネットスーパーだからといって、地元の人以外は名前も知らない様なお店で買い物をする人がどれくらいいるのでしょうか。
このアウトプットを顧客が望んでいるのか?それが実現すると社会はどう変わるのか?こういった「アウトカム」を想像せずに、自社(この場合は小さなスーパーマーケット)がやりたいと思った事を中心にプロジェクトを推進しても、独りよがりな活動となり、顧客には喜ばれず、費用をドブに捨てることになるかもしれません。
他のどんな製品やサービスでも同じです。「アウトカム」良質にコントロールすることが重要なのです。顧客にとってはその製品やサービスで生活が良くなったり、より高性能な製品を生み出すことが出来るかもしれません。その結果、自社にとっては売上の向上につながります。
アウトプットの先にある「アウトカム」をどれだけ良質に、どれだけ拡大できるのかが重要なのです。
「アウトカム」は1つではないし、1回でもありません。いくつものアウトカムを段階的・連鎖的に得ることで、その先にある「インパクト」につなげるイメージを持ちましょう。ここで言うインパクトは、製品やサービスといったアウトプットが、中長期的に市場に影響を及ぼし続けることを指します。
まとめ
成果や効果を表す「アウトカム」について御紹介しました。
例えば新商品を作るとして、何を作るかのアウトプットを検討するだけでは失敗するかもしれません。
今から作るものが、どうやって顧客を豊かにするのか、社会にどんな影響を与えるのかという「アウトカム」を考え、コントロールすることが重要です。
こちらの記事も是非、合わせて参考にしてください。
▷リンク:【DX】の「何やればいい?」が解決する40個のやることを提案します
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!