デジタルツインとは「定義」と「事例」で理解を深める
とある企業のDXパートナー、いねおけです
こちらを紹介していきます
データ収集、応答性、モデル構築…
いずれも高度な技術が要求される
データ活用の最高到達点の1つ「デジタルツイン」
今回は
こんな順番で紹介していきます
工場の自動化やシミュレーションに興味あり♪
デジタルツインの定義3選
まず初めにデジタルツインという単語の意味を押さえておきましょう
ここでは引用するカタチで定義を3つご紹介します
デジタルツイン(Digital Twin)とは、現実世界から集めたデータを基にデジタルな仮想空間上に双子(ツイン)を構築し、様々なシミュレーションを行う技術である。
デジタルツインとは「リアル(物理)空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元にサイバー(仮想)空間でリアル空間を再現する技術」である。現実世界の環境を仮想空間にコピーする鏡の中の世界のようなイメージであり、「デジタルの双子」の意味を込めてデジタルツインと呼ばれる。
デジタルツインは、物理的オブジェクトを正確に反映するように設計された仮想モデルです。
デジタルツインは、オブジェクトやシステムのライフサイクル全体を仮想的に表現したもので、リアルタイムでデータが更新され、シミュレーション、機械学習、推論を使用して意思決定を支援します。
三者は大筋で似たような事を言っています
下記のポイントが重要になってきそうです
- 現実(物理)をサイバー(仮想)空間で再現
- デジタル技術を用いたシミュレーションの一種
- リアルタイム性がある
デジタルツインとシミュレーションの違い
「デジタルツイン」とシミュレーション
似ていますが明確な違いが3点あります
①デジタルであるか否か
1つ目の違いは「デジタル」であるか否かです
シミュレーション、あるいは、シミュレータというと、暗黙に電気回路のシミュレーションや、熱解析モデルなどパソコン上で動作するデジタルな技術を思い浮かべたかもしれません
しかし「シミュレーション」の中には物理的なものも含まれます
例えば、内部の様子をわかりやすく再現した「建物の模型」
あるいは、自動車の安全装置性能を確かめる「衝突試験用の自動車とダミー人形」
これらもシミュレーションの言葉の定義に含まれます
シミュレーションという大きなカテゴリの中の一部に、「デジタルツイン」が含まれるイメージです
②現実空間と仮想区間の連動性
シミュレーションは過去の蓄積データを参照します
一方でデジタルツインの場合は現実空間で起きている現在のデータを参照して、リアルタイムにシミュレーションを実施します
現実空間と連動する為に、リアルタイム性が求められる、つまり応答速度の速さが求められる点もシミュレーションとの違いであると言えます
③現実世界に共有可能
デジタルツイン上のシミュレーションの結果は、現実空間に対してフィードバックが可能となります
「現実空間を再現」するところから始まっているため、そのシミュレーション結果は「現実空間に対する具体的な戻り値」として取得可能になります
また、ネットワーク上で取得したデータであれば共有可能なデータとして取り扱いが可能となります
デジタルツインとメタバースの違い
仮想空間の構築と言えばメタバースを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか
両者の違いについても書き出します
現実空間の再現か、別世界の創造か
デジタルツインは現実空間を双子の様に、忠実に再現する事を目的とします
一方、メタバースの造る世界は現実空間とは限りません
実在しない星、国、街、娯楽施設などを作ることができます
もちろん、メタバースとして現実空間を模倣したデジタル空間を作るケースもあります
目的の違い
デジタルツインが「シミュレーション」を目的とするのに対し
メタバースは「コミュニケーション」を目的とします
メタバースの考え方については様々あります
独立した世界として経済活動が循環し現実世界と同等に不可逆な時間の流れが存在する空間である、といった趣旨の定義もあるのですが、現段階で多くみられるメタバースはアバターを用いたコミュニケーションツールの側面が大きいのではないでしょうか
デジタルツインの活用例
国土交通省が主導する3D都市モデルPLATEAU
国土交通省が主導する3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化プロジェクト
都市のデジタルツイン
川崎重工の工場のデジタルツイン化
工場の自動化、ロボット化を目的としたデジタルツイン
コミュニケーション空間(メタバース)も平行して実装が進んでいる様に見える
NTTとトヨタ自動車のスマートシティ
静岡県裾野市につくられたテストコース・スマートシティ
デジタルツインによる「まちづくりシミュレーション」を実施
まとめ
デジタルツインの御紹介でした
デジタルツインとは何か?について、複数の定義を確認することで言葉の理解が進みました
シミュレーションとの違いは
・デジタルに限定されること
・現実世界との連動性、リアルタイム性
・現実世界に共有可能であること
メタバースとの違いは
・現実空間の再現(双子)であること
・シミュレーションが目的であること
現実世界をデジタルデータで忠実に再現することや、リアルタイム性が求められる点を考慮すると、技術的な難易度はかなり高い印象です
事例で紹介した様な国や、超大企業でないと大規模なデジタルツインを導入、実証することすら困難だと思えるかもしれませんが…
用途を限定して、小さな世界を再現すればどうか?
グーグルマップの様に、モデルの取り込み・作り込みは既に他者が実施しているケースに独自の価値を付与できないか?
そんなアプローチで、コストを抑えて、かつ有用なデジタルツインが作れるかもしれません
以上です