データを繋ぐ【デジタルスレッド】とは何か
とある企業のDXパートナー、いねおけです
豊かな日本で暮らす為
日本プロダクト(製品)の競争力向上に貢献したい
こちらの紹介となります
DX、あるいは、サステナビリティの観点において非常に強力なツールとなるデジタルスレッド
今回は
こんな順番で紹介していきます
デジタルスレッドを実現するPLMツールに関する書籍紹介の記事も書いています
▷リンク:脱・ベンダーロックイン【DX】は製造業が主導する
デジタルスレッドの意味
スレッドは「縫い糸」や「脈絡」を意味する単語です
デジタルスレッドはデータ間をあたかも糸で繋ぐように関連付けすることで、あとからその糸を手繰り、追跡出来る様にする技術を指します
デジタルスレッドで何ができるのか
デジタルスレッドがあると出来ることを考えていきましょう
製造業の場合、製品企画〜設計〜市場など、ライフサイクル全体に対して「製品に関する情報を互いに関連づけること」が可能となります
- 営業情報の入力経緯
- 開発着手に至る過程の情報
- 設計方針の決め方
- 設計計算データ
- 選定部品、部品表
- 参照機種
- 実験データ
- 組み立て情報
- 製品情報
- 出荷後の情報
- and more …
これにより、製品の担当者はもちろん、その上長や部下、あるいは、開発に無関係な人物であっても製品の細かな情報を知る事が可能になります
デジタルスレッドによって情報を付与する対象の粒度も設定可能です
「製品」単位に情報を付与することもあれば、
小さなネジ1本の様な「部品」あるいは、そのネジの外形図や仕様書などの「ドキュメント」を対象にすることもできます
モノを作ってからしばらく時間が経過した後の問い合わせに対して…
「担当者が辞めたからわからない」
市場クレームが発生したときの対策検討において…
「この構造を採用した経緯を覚えていない」
新規開発案件に、既存の技術を流用したいのだけど…
「あの製品の類似機種がわからない」
例えばこういったケースにおいて、人海戦術による多大な工数をかけずとも、客観的でしっかりと履歴管理されたデータを提供可能にする技術がデジタルスレッドなのです
複雑さが増すモノづくり
昨今の時代の流れでは、製品をつくって販売する際に課される規制や企業に求められる責任の観点から、モノづくりの複雑さは増すばかりとなっています
例えばサステナビリティの観点において、化学物質の排出量・移動量は追跡が必要になるケースがあります。また、その基準値や品目変更なども実施されることがあります。
あるいは、自動車関連の製品であれば、ISO26262の様な国際規格に準拠したかたちで設計や製造を行うことが義務づけられます
デジタルスレッドを用いれば…
製品を構成する全ての部品について
科学物質の含有量をデータ化し
組立工程の履歴を追跡することで
環境負荷物質の利用総量を把握できます
営業~設計~開発~生産~出荷~市場 など全ての工程情報を記録することで
規格上正しい手順で製造していることを、客観的なデータとして示すことができます
まとめ
情報を整理して関連づけるデジタルスレッドの技術は、
複雑な開発要件を満たしているか否かを客観的に示し、
サステナブルな製品開発の補助や、ナレッジの蓄積に役立ちます
デジタルスレッドを実現するPLMツールに関する書籍紹介の記事も書いています
▷リンク:脱・ベンダーロックイン【DX】は製造業が主導する