全員が「リーダー」を実現する為に必要なのは【サーバントリーダーシップ】なのではないかという話
とある社畜のDX担当、いねおけです。
今回のテーマは
全員がリーダーシップを発揮する組織など成り立つのでしょうか?
どんなリーダー像を思い描けば、そこに辿り着けるのでしょうか。
その答えが「サーバントリーダーシップ」にある…かもしれないという話です。
まえがき
「リーダーシップとは、組織のボスやチームの運営者だけに必要なのではなく、全員が持っているべき能力である。」
初めてこの考えを聞いたとき、衝撃を受けたことを覚えています。
それまで私は特に深く考える事もなく「上司と部下」あるいは「リーダーとメンバー」といった主従の形、マスタースレーブの形が求められていると思っていたし、それが役割だと思っていたし、そうあるべきだと思っていました。
有名な経営学者であるピーター・ドラッカーはリーダーシップについて下記の様に述べています。
「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立すること」
組織が具体的な目標を達成するために必要な能力がリーダーシップだとすると、成果を上げる目的でチームに参加している全員に必要なスキルであることがわかります。
「全員が考え、活発に意見するチーム」と、「上からの指示を待ち、言われたことだけやるチーム」では、前者のチームの方が良い成果を上げ、長く体制を維持出来ることでしょう。
使命について考え、目標を設定し、具体的なアクションをおこし、成果を上げる一連の流れにおいて、全員が「自分事としてチームに参加する」為のマインドがリーダーシップであると、私は考えます。
一方で、組織やチームを構成する全員が「オレがオレが」な状態、「間違いないから言う事聞け」な状態を想像すると、上手くいかない感じがしますよね。特に、衝突が苦手、自己主張が苦手、協調して物事を進めたい日本人の気質や文化には合っていない感じがします。似たような教育を受け、近しいスキル水準の人員が集まったときでも、全員がリーダーシップを持った状態でチームとして成果をあげる為には、「リーダー = ボス」の様な建付けとなるリーダーシップでは難しそうです。
サーバントリーダーシップ
以降は「サーバントリーダーシップ」を御紹介します。
NPT法人 日本サーバント・リーダーシップ協会では以下の様に紹介されています。
- 支配型リーダーシップの反対が、サーバントリーダーシップです。
- 「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学です。
サーバントリーダーシップは、他者への奉仕を優先させる考え方です。
英語のサーバント(servant)には、「奉仕者」や「使用人」といった意味があります。
サーバントリーダーは、奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出します。支配型リーダーシップのように、一方的な命令によって部下やチームメンバーを動かすのではなく、他人の能力を肯定してお互いの利益になる信頼関係を築く点が特徴です。
サーバントリーダーシップを構成する10要素
サーバントリーダーシップは「奉仕」の姿勢から始めるアプローチであることが特徴です。
自身のもつ経験やスキルを”ギブ”することから始めれば良いので、リーダーになるために、必ずしもカリスマ性や高い職位は必要ありません。
突出した才能や技術を有する個人ではなく、チームに参加する誰もが身につけられるという点が特徴です。
以下、サーバントリーダーシップに必要な10の要素を解説します。
①傾聴
チーム一人ひとりの声に耳を傾け、その言わんとすることを深く理解しようとする姿勢が重要です。
チームメンバーが「安心してアイディアを共有する」為には、自分の声が尊重されていると実感できることが重要です。
②共感
相手の気持ちに寄り添い、理解しようとする姿勢が必要です。
チームメンバーは、自身が受け入れられ、認められているという実感を得ることができます。
③癒し
メンバーに安心感を与えるスキルのことです。
不快な状況を脱し、傷ついたメンバーを前向きにさせるサポートをします。
④気づき
自分への気付き(長所、短所など)に加えて、チームに関する同様の気づきが必要です。
⑤説得
職位や権威を振りかざすことなく、他社を説得することで意思決定を進めることが必要です。
対等な立場で丁寧に話し合い、相手から同意を得ることで、お互いに取って最適な結論を出します。
⑥概念化
目に見える具体的な事象を、抽象化することで、共通点を見つけ出したり分類したりする能力が必要です。
目標やビジョンを共有することで、一体感を持って行動できる様になります。
⑦先見力
過去の経験や現在の状態から、将来の出来事を見定めようとすることが必要です。
リスクなるべくを回避しながら(多くの場合、全てのリスク回避は現実的ではない)、組織を正しい方向に導く能力です。(コンセプチュアルスキル に似ていますね)
⑧執事役
組織から信頼されることが必要です。
その為にメンバーが気持ちよく仕事ができるようにサポートする能力です。
⑨人々の成長に関わる
チームの成長を全面的に支えることが必要です。
チームメンバー個人としての成長や、職場における成長を支援します。
⑩コミュニティづくり
単なる職場ではない「生き生きとした組織」づくりが必要です。
メンバーの主体性を引き出し、誰もが安心して自分の考えを行動にできる組織を作ります。
まとめ
サーバントリーダーシップの定義と、サーバントリーダーシップを構成する10の要素を紹介しました。リーダーシップの中でも、支配型のそれとはアプローチが異なることが伝わったかと思います。
「組織の使命を考え行動する」能力をリーダーシップとするのであれば、個々の人員が衝突せず、互いを尊重し、多様性を認めて成長出来るチームにふさわしい考え方はこの「サーバントリーダーシップ」なのではないかと、私は感じました。
こちらの記事も是非、合わせて参考にしてください。
▷リンク:【コンセプチュアルスキル】見えないモノを見るビジネスマンに、おれはなる!!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!